高橋酒造株式会社(本社:熊本県人吉市、代表取締役社長:高橋光宏)は、食を楽しむことのできる日本人を増やしたいという考えにより、学習院女子大学日本文化学科・環境教育センター品川明教授の監修のもと、「食を楽しむ力」を測るための「味わい力」テストを、株式会社味香り戦略研究所(東京都中央区)とともに開発しました。
「味わい力」とは、「食への意識」、「味覚感度」、「食に関する表現力」、「食の知識」、「食の経験」の5つの指標を総合的に判定した、先天的・動物学的な五味の認識力(いわゆる味覚力)とは異なる、後天的な「食を楽しむ能力」を指します。
以下の5つの指標により、「味わい力」を総合的に判定します。
2012年6月に福岡在住の30〜40代の主婦111名を対象に「味わい力」テストを実施した結果、「味わい力」保有者は、34%(38名)、対して「味わい力」の低い「現代型味オンチ」は、66%(73名)という結果となりました。また、「現代型味オンチ」は、食に対する傾向により、「表現ベタ型」、「偏食ワンパターン型」、「無頓着型」の3タイプに分かれることが分かりました。
サイエンスパートナープロジェクトとして、栃木県日光市立栗山中学校の授業(総合)を活用して「栗山の自然から自分たちの未来を考える」テーマ授業の支援プロジェクトや子どもが主体的に学び、科学を好きになるための教育システムの開発に関する実証的な研究へ携わる。
経歴:東京水産大学卒、東京大学大学院農学系研究科水産学専攻修了、農学博士
研究分野:
海洋生理生態学、環境教育、
人・食・環境コミュニケーション
研究著書:
「魚介類のエキス成分」(水産学シリーズ 恒星社厚生閣)、「生活紀行」(学習院新書)、「親と子の週末 48時間」(小学館)「海のお魚・生き物カード図鑑」(交通新聞社)、「21世紀をいきるきみたちの環境学習」(島根県)他
株式会社味香り戦略研究所について
味の共通尺度を表す「食譜」の創造により、飲料・食品の製造者とそれらを飲食する消費者とを良い関係で結び、より豊かで楽しい「おいしさの世界」をご提案しております。
食品の味や香りなどを数値化する手法を用いて「おいしい!」をわかりやすく表現し、それを用いたコンテンツ、マーケティングおよびコンサルティングサービスを提供する会社です。
今回のテストでは、66%(73名)の主婦が「現代型味オンチ」と診断されましたが、タイプ別に分類すると、1.「表現ベタ型(16.2%/18名)」、2.「偏食ワンパターン型(22.5%/25名)」、3.「無頓着型(27%/30名)」の3タイプに分かれました。一番多い「現代型味オンチ」のタイプは「無頓着型」味オンチで、品川教授は、「無頓着型は、食を通じての楽しみがなく、お腹を満たすだけのために食事を摂っているタイプです。大変残念なことですが、日本のどこで、このテストを実施しても、現代の日本では、この『無頓着』が一番多いのではないでしょうか」と述べています。
現代型味オンチの妻の夫の年収は低い!?
今回、福岡で実施した「味わい力」テストの上位20位と下位20位の妻の夫の年収を比較したところ、「味わい力」の高い妻の夫の平均年収は527万円、「現代型味オンチ」の妻の夫の平均年収は395万円で、平均年収に130万円の差があるという結果となり、「現代型味オンチ」の妻の夫の年収が低いということが明らかになりました。
また、「味わい力」の高い妻の家庭の方が、お互いの誕生日や結婚記念日を覚えており、かつ、積極的にお祝いをしていることも分かりました。
「現代型味オンチ」を改善する方法として、食育の専門家である品川教授は、「“味わい力”は、外食時にどのような食材が使われているか、どのような味付けがされているかを意識すること、また毎日の食事の中で、料理と飲み物の組み合わせを考えるなど、日常的に、食に対する意識を高めることで改善できます。
例えば、繊細な和食を食べる時の食中酒として、和食の繊細な味をひきたてるような米焼酎などを選ぶといった意識が大切です。」と述べています。高橋酒造は、品川教授とともに、現代型味オンチの特徴を踏まえ、タイプ別トレーニング方法を考案しました。